イベント紹介

  • 時間指定が無いイベントは、随時受付いたします。
  • 対象年齢に指定が無いイベントは、どなたでも参加できます。
  • 整理券
  • <整理券>が有るイベントは、東研究棟1階整理券配付ブースにて配布いたします。

アイコンの見方

講演会 科学がより面白くなる7つのレクチャー。

交流棟

「予防接種はなぜ効くの?」

小安 重夫センター長代行
交流棟1階(ホール) 10:20~11:00 <定員200名>
統合生命医科学研究センター

麻疹にかかると2度と麻疹にかからない。皆さんよくご存知のことです。私達の体は侵入したウイルスや細菌と戦う力を持っています。そして戦いの後には、どのような相手と戦ったかを記憶しています。この能力を利用したのが予防接種あるいはワクチンです。今回の講演では、どうして私達の体がウイルスや細菌と戦えるのか、どうして予防接種が病気から私達の身を守るのか、どうして効果的な予防接種とそうでないものがあるのか、などに関してお話をさせていただくつもりです。

微生物に感染すると様々な免疫担当細胞が機能しますが、その中でも獲得免疫系と呼ばれる仕組み(左)が働くと、微生物や微生物が感染した細胞を除去して感染を終息させます。その後に予防接種の原理である「免疫記憶」が形成されます。獲得免疫系が起動するまでの時間は自然免疫系(右)と呼ばれる仕組みが働いて微生物の増加を抑えています。

「脳神経のネットワークができる仕組み」

竹居 光太郎教授
交流棟1階(ホール) 11:10~11:50 <定員200名>
横浜市立大学

胎生期の発生の過程では、脳や脊髄の中で神経細胞が生まれ、細胞から長い突起を伸ばして神経と神経が正確につながって神経回路が作られます。神経はどうやって伸びるのか?、そしてどうやって正確に相手を見つけるのか?、このような神経回路を作るメカニズムの基本原理が最近になってかなり分かってきました。そうなると、もし不運にも交通事故などで神経のつながりが切れてしまったら、今度はそれをどうやって修復させるのか?という問題を解く鍵、即ち、大人の脳の中で胎生期の発生現象を再現する方法もだんだんと分かってきました。私達が取り組む方法の一端をご紹介します。

神経回路が作られる過程。生まれた神経細胞から突起が伸びて、脳内の物質に導かれながら相手の神経細胞を正確に見つけ出してつながります。神経の再生医療ではこの過程を再現することが必要です。

「シーケンス技術はどこへ向かうのか?」

上村 想太郎チームリーダー
交流棟1階(ホール) 12:00~12:40 <定員200名>
ライフサイエンス技術基盤研究センター 機能性ゲノム解析部門

最近、遺伝子検査という言葉を良く耳にしませんか?この検査では、個人の遺伝子情報のどこがどのように違うのかを調べることによって病気のリスクや薬の効き方などがわかります。遺伝子情報は、DNAの配列によって暗号化されています。その配列を速く正しく読み解く装置の性能がここ数年で爆発的に向上し、いまや、米国での遺伝子検査のビジネス市場規模はついに1.7兆円を突破しました。遺伝子検査が急速に身近になる一方、その読み取り装置であるDNAシーケンサーはあまり馴染み深いものではありません。本講演では装置の歴史や仕組みについてわかりやすく説明いたします。

次世代シーケンサーとはDNAの暗号(塩基)の配列を読み取る装置です。この装置により、細胞から採取したDNAは配列へと変換されます。

「赤ちゃんはなぜ抱っこして歩くと泣き止むのか」

黒田 公美ユニットリーダー
交流棟1階(ホール) 13:40~14:20 <定員200名>
脳科学総合研究センター

赤ちゃんは泣くものです。しかし抱っこして歩いていると、泣き止んでそのまま眠ってしまうこともありますね。ネコなどでも母親が仔を口にくわえて運ぶとき、子は丸くなって運ばれやすい姿勢をとります。これを「輸送反応」と呼ぶのですが、こうした子どもの反応はこれまであまり科学的に研究されてきませんでした。  実は子どもが母親に運ばれるときに泣き止みおとなしくなるのは、子どもが母親を助けるための反応なのです。このように、身の回りでごく自然に行われている親子関係が実は親と子双方の努力で成り立っていることを、今日はお話したいと思います。

母ライオンにおとなしく運ばれるライオンの子。ライオンの母は一度に4匹程度の子を産み、草原の茂みに隠して育てます。子のいる場所が危険になると、母ライオンは10kmも巣を移動することがあり、その間を一匹ずつ子をくわえて運びます。

「遺伝子診断って何だろう?」

臼井 健悟ユニットリーダー
交流棟1階(ホール) 14:30~15:10 <定員200名>
ライフサイエンス技術基盤研究センター 機能性ゲノム解析部門

アンジェリーナ・ジョリーが「遺伝子診断」を行い、乳ガンでの死亡リスクが高いと判断されたことから、まだガンが発病していないにもかかわらず乳房を切り取る手術に踏み切ったニュースが話題となりました。私たちは皆、体を作り上げている「細胞」の中に、両親からの情報を半分ずつ受け継いだ「遺伝子」という物質を持っていますが、その遺伝子を使った診断というのは、一体どのようなことが行われているのでしょうか? そもそも遺伝子って何だろう?というところから、実際に使われている遺伝子診断の技術、そしてそれらが私たちにもたらすメリットなど、分かりやすく解説します。

体内でのアルコールの代謝に関わるヒトのアルデヒド加水分解酵素(ALDH2)の遺伝子配列の一部。上図で赤色で示されたたった1つの配列 “A (アデニン)” が“G (グアニン)” になっていると、お酒に弱い体質になってしまいます。

「植物のかたちをつくる」

杉本 慶子チームリーダー
交流棟1階(ホール) 15:20~16:00 <定員200名>
環境資源科学研究センター

私たちの身近にある植物の花や葉っぱはよく見ると実に多様なかたちや大きさをしています。植物のからだは固い壁で仕切られた細胞からできているため、ひとつひとつの細胞は自由に動き回ることが出来ません。このため細長い葉っぱや丸い葉っぱ、ギザギザの葉っぱといった植物の種に特徴的なかたちは、細胞がどんな風に分裂し、成長するかによって決まります。最近の研究から、それぞれの植物種の持つ遺伝情報がこうしたかたちの多様性をもたらすしくみが明らかになってきています。この講演では、みなさんと「かたちづくり」について考えてみたいと思います。

植物の葉をつくる細胞たち。実は細胞にも様々なかたちや大きさがあります。

「横浜市立大学における生命医科学研究」

佐藤 衛教授
交流棟1階(ホール) 16:10~16:50 <定員200名>
横浜市立大学

横浜市立大学は、国際都市横浜における知識基盤社会の都市社会インフラとして、教育研究・医療の拠点機能を担うことを使命とし、生命医科学の分野における世界的レベルの研究拠点となることを目指しています。横浜市立大学における生命医科学研究では、生命科学の視点から医療の無限の可能性を探ることを合言葉に診断薬や治療薬の開発を目指します。この講演では、伝統ある本学医学部と生命科学をシームレスに連携させて設立された国際総合科学部生命医科学コース及び大学院生命医科学研究科における教育・研究活動や人材育成、国内外との教育・研究交流活動について概説します。

疾患の原因となるタンパク質を精製(a)および結晶化(b)している様子。(c)はこうして得られたタンパク質の結晶の写真。このあと、これらの結晶にX線を照射して疾患原因タンパク質の構造を原子分解能で決定し、疾患の治療薬や診断薬を設計(デザイン)していきます。