理化学研究所横浜市立大学一般公開

  • JP
  • EN

イベント紹介

施設公開・ツアー

生活に身近な科学や、最新の研究成果をじっくりお伝えします。
科学への理解や興味がきっと深まります。

交流棟

一卵性双生児の性格が違う理由

蓑田 亜希子ユニットリーダー

  • 交流棟ホール
  • 10:30〜11:20 <定員200名>

ひとつの受精卵に由来する、同じDNAを持って生まれた一卵性の双子。DNAは同じなのに、なぜ似ていないところがあるのでしょう。そこには、生まれた後にDNAの働き方を決める“エピゲノム”が関わっているのです。

染色体とDNA、ヒストン(模型)

クリックして拡大

ヒトの体細胞にはDNAからできている46本の染色体があり、それぞれお父さんからもらったコピーとお母さんからもらったコピーがあります。細胞1つ分に含まれるDNAはすべてつなぎ合わせるとおよそ2m!長いDNAをコンパクトにまとめているのが、糸巻きのようなタンパク質「ヒストン」です。”エピゲノム”とはDNAやヒストンに付く目印のことで、付いたり外れたりしながら染色体にある遺伝子のはたらき方を調整しています。

バイオテクノロジー応用医薬品で病気を治す

川崎 ナナ教授

  • 交流棟ホール
  • 11:40~12:30 <定員200名>

遺伝子組換え技術の進展により、様々なタンパク質がバイオテクノロジー応用医薬品(バイオ医薬品)として開発されるようになりました。現在、多くのバイオ医薬品が、糖尿病や関節リウマチなどの疾患の改善に貢献しています。また、近年、新たな治療法の提供、クオリティ・オブ・ライフの向上、医薬品産業の活性化などを目的として、バイオ医薬品開発への期待が高まっています。本講演会では、代表的なバイオ医薬品や開発中のバイオ医薬品を取り上げ、それらの特徴や副作用について紹介したいと思います。また、患者さんに安心して医薬品を使用していただくために、私たちが行っているバイオ医薬品の品質や安全性評価に関する研究についてもご紹介いたします。

現在日本では約100種類の遺伝子組換えタンパク質がバイオ医薬品として承認されています。バイオ医薬品は,疾患と関係のあるターゲット分子への特異性が高いので、効果が高く、副作用も少ない医薬品として期待されています。

中性子で中をみると、安全が見える!?

大竹 淑恵チームリーダー

  • 交流棟ホール
  • 13:30~14:20 <定員200名>

2013年に産声をあげた理研小型中性子源システムRANS(ランズ)は塗膜鋼板内部の腐食(さび)観察や厚いコンクリート内部の穴や鉄筋の見分けに成功しました。橋梁点検や自動車軽量化など、暮らしの安全安心へ向けた最新の開発研究を紹介します。

中性子工学施設棟実験ホール内 小型中性子源RANS

クリックして拡大

【上図】右側の青いキューブがターゲットステーション。そこから中性子が飛行し左側にサンプル検出器が設置される。
【下図】RANSによる塗膜下鋼材内部の腐食(さび)と水の出入りの変化イメージング観察の様子

皮膚角層とアレルギー

天谷 雅行チームリーダー

  • 交流棟ホール
  • 14:40~15:30 <定員200名>

アトピー性皮膚炎、食物アレルギー等の様々なアレルギー疾患において、「免疫系が外来抗原と最初に出会う場所」として皮膚の経皮感作が今注目されています。皮膚バリアの機能とその破綻、そして皮膚を介した予防法、治療法に関してわかりやすく概説します。

アレルギー疾患にかかる最初のきっかけは、抗原(アレルゲン)が皮膚を通過することにより起こる経皮感作であることが注目されています。外来抗原が簡単に皮膚を通過しないように、角層はバリアの役割をしています。「あか」としてしか認識されていない角層は想像以上の働きをしています。しらない角層の世界にご招待いたします。