トップイメージ

植物と病原菌のせめぎ合い

終了

こちらのイベントは終了しました

植物も人間と同じように、病原菌に感染して病気を発症します。植物病原菌は、農作物の減収や商品価値の低下をもたらす厄介な存在であり、農業生産における大きな脅威です。これまでの研究から、植物は病原菌から身を守る防御システムを備えていること、また一部の病原菌は、その防御システムを打ち破って植物に感染できることが分かってきました。この講演では、植物がどのように病原菌の攻撃を感知して防御応答を発動するのか、また病原菌がどのような戦略で植物に感染するのかを紹介します。植物と病原菌の熾烈なせめぎ合いを通じて、生命科学の面白さを感じてもらえればと思います。

講師石濱 伸明

石濱 伸明 肖像イメージ

理化学研究所 環境資源科学研究センター
植物免疫研究グループ 研究員

愛知県名古屋市出身。名古屋大学農学部を卒業後、同大学大学院生命農学研究科に進学し、博士号(農学)を取得。同大学での博士研究員を経て、2012年に理化学研究所に入所し、現在に至る。名古屋大学で学生をしていた頃から継続して、植物と病原微生物の攻防を研究の対象とする。趣味はスキーと野球。

イベントの様子

  • 講演中の写真
  • 講演中の写真
  • 講演中の写真
  • 講演中の写真

2026年3月20日(金・祝)に、みなとみらいで理研よこはまサイエンスカフェを開催。中学生から一般の方まで、定員を上回る60名以上の皆様にご参加いただきました。
今回のサイエンスカフェでは、植物免疫機構に関する研究を行っている、理化学研究所環境資源科学研究センターの石濱伸明研究員を講師としてお迎えしました。
講演では、植物病害による農作物の損失が世界的な課題となっていることが示され、続いて、植物の防御機構と病原菌の感染戦略について説明が行われました。植物は、表皮や抗菌物質による「静的抵抗性」と、病原菌を受容体で認識して作動する「動的抵抗性」という二つの仕組みによって身を守っています。一方、病原菌はエフェクターや毒素を用いて植物の防御をかく乱し、感染を成立させようとします。これに対し植物は、エフェクターを抵抗性タンパク質で認識し、より強力な防御応答を引き起こして対抗します。このように、植物と病原菌は互いに攻防を繰り広げながら進化してきた関係にあり、その様子は「ジグザグモデル」として紹介されました。また、この攻防は現在も続いており、受容体をデザインする最先端の植物免疫研究が、新たな防除技術の開発につながる可能性が示されました。
後半の質問タイムでは、「最新の論文や研究成果をどのように知りますか」「研究にAIをどの程度使いますか」といった研究生活に関するものから、「予防接種のような方法で、植物への病原菌の感染を防ぐことはできますか」という具体的な内容まで多く寄せられ、この分野への関心の深さを再認識しました。
理研横浜キャンパスでは、今後も皆様に興味を持っていただけるようなイベント・プログラムを企画してまいります。

サイエンスカフェ トップへ

Page Top