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獣医師の目でヒトの病気を研究する:
異分野の研究者の視点とその生き方

終了

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私は子供のころからの夢を実現して獣医師になりましたが、現在、犬猫のアレルギー検査会社を設立し、社長を務めながら、同時に理化学研究所でチームを率い、人と動物を同時に治療できる抗体医薬や変異ウイルスに対応可能なワクチンの開発に取り組んでいます。なぜ獣医師だけを仕事としていないのか。本講演では、私を突き動かす獣医学への想い、新発見の視点、そして会社を創ろうと思った切っ掛け、ビジネス(お金儲け?)と研究の関係性をお話することで、大人になって研究をする意味、そしてそれらを通じて学んだ、うまく回る人生の秘訣をお伝えいたします。学生の皆さんにとって、学校や家では決して教えない(薦めない?)進路や人生の一例になるのではないでしょうか。

講師 増田 健一

増田 健一 肖像イメージ

理化学研究所 最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部
新興感染症ワクチン技術研究チーム
チームディレクター

1985年 名古屋市立菊里高等学校卒業
1992年 鹿児島大学獣医学科卒業、獣医師免許取得
1992年 有限会社林屋動物診療室勤務
1997年 米国イリノイ大大学院修士課程修了、修士号(臨床獣医学)取得
1997年 東京大学大学院博士課程入学
1998年 同上 退学。東京大学大学院農学生命科学研究科 助手
2004年 理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 研究員
2007年 理研ベンチャー動物アレルギー検査株式会社設立 代表取締役社長
2015年 理化学研究所 人工ワクチン研究チーム チームリーダー(兼任)
2020年 エピトマップ株式会社設立 代表取締役社長(兼任)
2022年 理化学研究所 新興感染症ワクチン技術研究チーム チームディレクター(兼任)
現在に至る。

大阪府寝屋川市で小学生まで過ごす。中学・高校と名古屋市で過ごした。高校時代は麻雀に溺れ落ちこぼれるが、ようやく鹿児島大学獣医学科へ入学し、晴れて獣医師となる。趣味は飼い犬の世話をすること。好きなスポーツは剣道、空手、水泳。子育ては終わり、現在は母、妻、そして犬一匹と暮らす。

イベントの様子

  • 講演中の写真
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クリスマスイブに開催したサイエンスカフェには、多くの学生の皆さまにご参加いただきました。
今回のサイエンスカフェでは、理化学研究所 最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部 新興感染症ワクチン技術研究チームを率いながら、理研ベンチャーとして設立された動物アレルギー検査株式会社および、動物とヒトの種間を超えたワクチン・抗体医薬の開発を進めるエピトマップ株式会社の代表を務める、増田健一チームディレクターを講師にお迎えしました。
前半の講演では、ご自身の経歴紹介からお話が始まりました。飼っていたセキセイインコの死をきっかけに8歳で獣医師を志した増田チームディレクター。目標を達成し獣医師として動物病院に勤務するものの、現場の現実を目の当たりにします。その後、動物病院を離れて単身渡米し、イリノイ大学で修士号を取得。帰国後、博士課程へ進学するにあたり、「ノーベル賞を狙わないなら博士号を辞退せよ」という指導教員の言葉を胸に研究に邁進します。
理研に所属してからは免疫研究に取り組む一方で、起業に向けた活動も開始。特許取得を経て理研ベンチャーとして動物アレルギー検査株式会社を設立し、ヒトと動物の免疫に関する研究を進めていきます。さらに2015年からは人工ワクチン研究チーム(現・新興感染症ワクチン技術研究チーム)において、パンデミックウイルス感染症に対する化学合成ワクチンの開発を推進し、2020年にはエピトマップ株式会社も設立しています。
続いて研究紹介では、コロナウイルスの形状、ワクチン接種による抗体(IgG、IgM、IgE)産生に至る仕組み、薬やワクチンが完成するまでの過程、そして「獣医学」と「医学」がどのようにつながるのかについて、わかりやすく解説がありました。
講演の最後には、学生の皆さまに向けてご自身の生き方をもとに、人生は【目に見える】原因・結果と【目に見えない】原因・結果によって成り立っていること、成功する人は目の前のことに一所懸命に取り組み、それが「運」や「縁」につながっていくことについて、熱いメッセージが語られました。
後半の質問タイムでは、獣医学と医学をつなぐ研究についての質問をはじめ、講演内で紹介された多重抗原ペプチドやIgE抗体医薬、IgMに関する専門的な質問、決断力や自信を持つための考え方、モネの絵画に代表される芸術への関心、さらには起業に関する質問まで、非常に活発な意見交換が行われました。
終了後も多くの参加者が講師のもとに集まり、質問が途切れることはありませんでした。研究分野への関心の高さに加え、研究者の生き方そのものにも強い関心が寄せられていることを実感するサイエンスカフェとなりました。
理研横浜キャンパスでは、今後も皆さまに興味を持っていただけるイベント・プログラムを企画してまいります。

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