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計算科学とバイオ技術の融合で生まれる
“未来のものづくり”

終了

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私たち人類は石油から現代の生活に欠かせない燃料、プラスチック、ゴム、化学繊維など色々な「モノ」を作り出し、それらの恩恵に預かっています。しかしその負の影響は徐々に現れ、温暖化を始めとした地球環境への負荷がとても大きくなっています。この地球規模の社会問題を解決する手段の一つが、空気中の二酸化炭素や植物を利用して微生物から様々な有用な物質を作り出すバイオ技術です。
石油から作られる現代の生活に重要な「モノ」を微生物はもともと作れません。仮に作れたとしても、自ら自然にたくさん作ることはありません。
そのため、生物細胞の中をデザインし、目的の物質をたくさん作れるようにコントロールする研究が必要になります。細胞の中にある数千から数万の反応をコントールし、デザインするためにコンピュータ計算を使った技術が活かされます。
今回は、生物細胞を使ったバイオものづくりの大切さと難しさから、AIの力を使った画期的な細胞デザインのお話をします。

講師白井 智量

白井 智量 肖像イメージ

理化学研究所 連携促進本部バトンゾーン研究推進プログラム
微生物ケミカル生産研究チーム 副チームリーダー

2007年大阪大学にて博士(工学)取得、2007年〜2008年財団法人地球環境産業技術研究機構 研究員を経て、2008年〜2012年三井化学株式会社在籍、2012年より理研に上級研究員として在籍。
主な研究領域は、代謝工学、合成生物学。趣味として、登山、ハイキングや植物栽培、歴史全般(特に戦国時代)を好む。

講師鈴木 淳

鈴木 淳 肖像イメージ

理化学研究所 連携促進本部 連携促進部

2009年東京工業大学にて博士(理学)取得後、理研に在籍。
2009年に理化学研究所 知的財産戦略センターのパテントリエゾンとして着任。以降、研究成果の実用化に関わる業務に携わり現職に至る。微生物ケミカル生産研究チームの立ち上げにも関与。
関心事は未来社会、社会変革など。

開催要項(PDF:4MB)はこちら

イベントの様子

  • 講演中の写真
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今年初めて開催したサイエンスカフェは、定員を上回る60名以上の幅広い年代の方々にご参加いただきました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
今回のサイエンスカフェでは、研究成果の実用化を目指す研究活動を行なっている理化学研究所微生物ケミカル生産研究チーム 白井 智量副チームリーダー、理化学研究所 鈴木 淳が講師として、微生物を使った“ものづくり”に必要な技術とその最先端の研究状況についてお話しました。
古くから日本に根付いている微生物による発酵の文化、その技術を用いたものづくりは、現在、高度に設計、構築された微生物を使い、医薬原料、汎用化製品、工業用プラスチック、輸送燃料などの製造に活かされています。 そのためには、生物学のみならず、工学的、そして、計算科学を用いたアプローチで、微生物を合理的に設計するという技術が不可欠です。 化合物の生産量の最大化を目指すため、計算科学を駆使して、人工代謝反応の設計を行なっている研究の最前線をご紹介しました。
後半の質問タイムでは、参加者から微生物の設計の際の量子コンピューターの利用の可能性や、微生物を使ったものづくりが環境問題の解決にどう役立つのか、という具体的な質問や、また中学生からは将来のために今すべきことは何か、などのさまざまな質問を受け、それに講師二人がお答えしました。 終了後も多くの方々が講師への質問に残られ、この分野への関心の深さを改めて認識したサイエンスカフェとなりました。
理研横浜キャンパスでは、今後も皆様に興味を持っていただけるようなイベント・プログラムを企画してまいります。

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