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動く遺伝子の働きで紐解く進化の謎

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こちらのイベントは終了しました

哺乳類は、今から2億2500万年前に地球上に現れ、その中から約40万年前、我々ホモ・サピエンスが誕生しました。人類の進化には、子宮内の胎児に栄養を運ぶ胎盤や、言語の獲得を可能とした脳の発達が大きく関わっています。しかし、何が胎盤や脳の進化の原動力となったのかは、未だ謎に包まれています。最近の研究から、胎盤などの臓器の進化に、ゲノムDNA中に自由自在に動き回る、「動く遺伝子」が深く関わることがわかってきました。さらに驚くべきことに、2000年に完了したヒトゲノム配列の解読から、このような「動く遺伝子」がヒトのゲノムの約半分を占めていることもわかりました。今回は、「動く遺伝子」のヒトゲノムにおける特殊な働きに着目し、哺乳類進化の謎に迫って行きます。

講師ジャファル シャリフ (Jafar SHARIF)

シャリフ 肖像イメージ

理化学研究所 生命医科学研究センター 免疫器官形成研究チーム 専任研究員

亜熱帯動植物の宝庫であるバングラデシュ出身。 1998年に国費留学生として来日、東京大学工学部化学生命工学科に学び、2008年博士号取得。同年より研究員として理研に勤務。
「私が生まれた農村地域の近くにあるマングローブ林(現在は世界遺産)には、雄大なベンガルトラと美しいマダラシカが生息しています。サルの大群が私たちの果樹園からマンゴーを盗んでいました。このような素晴らしい動物や植物に囲まれて育った私は、それらについてもっと学ぶために科学者になる ことを決心しました。仕事を通じて自分自身、家族、そして周りの人々に幸せをもたらすこと、挑戦的でエキサイティングな研究分野を追求することを目標として日々研究に取り組んでいます」

講師伊藤 美帆

伊藤 美帆 肖像イメージ

理化学研究所 生命医科学研究センター 研究支援専門職 学術・広報担当

英国リバプールの大学にてバイオメディカルサイエンス、バイオテクノロジーを学ぶ。その後、米企業にて生物系の技術サポート、営業企画部にて遺伝子改変技術製品の企画・マーケティングを担当。2015年より理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センターにて横浜事業所の広報担当として主に機能性ゲノム解析部門・構造合成生物学部門を中心にアウトリーチやイベント等を広く開催。現在は生命医科学研究センターにて引き続き広報担当として、「ゲノムをもっと楽しくわかろう」をモットーに活動を続けている。

開催要項(PDF:600KB)はこちら

イベントの様子

今年初めて開催したサイエンスカフェは、90名以上の幅広い年代の方々にご参加いただきました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

1948年、とうもろこしを使ってマクリントック博士に発見された「動く遺伝子」。その「動く遺伝子」についてより深く研究すれば、ヒトのゲノムの仕組みや働き方がわかると考えたシャリフ研究員から、哺乳類の進化を決定づけた胎盤の獲得に「動く遺伝子」が関わっていることや、自身の研究テーマである、「動く遺伝子」を制御するしくみ「エピジェネティクス制御」について解説しました。
終了後のアンケートでは「遺伝学初心者でもわかりやすい講義内容で、引き込まれるような楽しい講義だった」「講師の研究者としての姿勢を学ぶことができ、貴重な経験だった」などの意見が寄せられ、また多くの方から「科学に対する興味が深まった」という感想をいただきました。

当日の講義を収録したYouTube動画を公開しました。
当日ご参加いただけなかった皆様にも、講義の様子をご覧いただければ幸いです。

理研横浜キャンパスでは、今後も皆様に興味を持っていただけるようなイベント・プログラムを企画してまいります。

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