開催報告
一般公開2018 を開催しました
2018年9月1日(土)、理研横浜キャンパスと横浜市立大学鶴見キャンパスは、今年も共同で一般公開を開催しました。
3,061名の皆さまにご来場いただき、盛況のうちに一般公開を終えることができました。ご来場いただいた皆さま、どうもありがとうございました。
当日は、体験イベント、施設公開・ツアー、講演会、ポスターによる研究発表など、多数のイベントを実施しました。また、一般公開日が防災の日であることから、特別イベント「The 消防体験!」を横浜市消防局鶴見消防署入船消防出張所のご協力を得て実施しました。会場の様子を一部ご紹介します。


生命医科学研究センター
覗いてみよう、腸内細菌の世界!
近年、私たちの健康や病気に深く結びつくことが明らかになり注目を集めている腸内細菌たち。その最新の研究成果や、解析に使う技術をご紹介しました。また、実際はコンピューターを使って行っている腸内細菌のゲノムアセンブル(シークエンスで得られる短いDNA塩基配列の同じ部分を重ねて、長いゲノム配列を構築する工程)を実際に手で行うゲームも行いました。紙で作った配列を手で並べて、その速さを競うというゲームで、大人も含め多くのみなさんが参加してくださいました。

生命機能科学研究センター
タンパク質のかたちとはたらき
〜君の手でホタルスライムを光らせよう〜
生物の発光を通してタンパク質の性質を楽しみながら学び、ホタルが光るしくみを使って、暗闇で光るスライムを作る子ども達に人気のイベントです。
ホタルのお尻に近い部分の細胞の中では、「ルシフェリン」という発光する物質と、発光するのを助ける「ルシフェラーゼ」というタンパク質があります。このふたつが反応することによりホタルは光を放っています。ホタルがなぜ光るのかを学んだ後は実際にホタルスライムを作ります。白衣と保護メガネを着用して試薬を混ぜ合わせたりと、気分はすっかり研究者です。参加者からは「楽しかった」「面白い」「研究者になりたい」などの声が寄せられました。


環境資源科学研究センター
プチ苔玉・ミドリムシボールすくい
陸上植物および藻類バイオマスの生産性向上を目指し、有用な遺伝子の探索を行っている環境資源科学研究センターバイオ生産情報研究チームが主体となり、水中の小さな苔玉、ミドリムシボールをポイですくい取るイベントを行いました。金魚すくいのように、桶の中で水流に乗って動く小さな苔玉、ミドリムシボールをみなさん上手にすくい取っていました。また、すくえなかった方々にも、お土産に瓶に入れてお持ち帰りいただきました。持ち帰った苔玉は、瓶の中ではもちろん、鉢植えにすれば長く育てることができます。


放射光科学研究センター
マイナス196℃のマシュマロを試食してみよう!
液体窒素で冷却したマシュマロを試食できる人気イベントの一つです。窒素は、空気中に約78パーセント含まれています。窒素分子は常温では無色無臭で、人間に必要なアミノ酸やタンパク質などにも含まれています。圧縮を加え冷やすことでマイナス196℃の液体窒素になります。普段は冷却剤として食品を冷やすことなどに利用されていますが、理研横浜では、NMR装置の冷却などに使用されています。マイナス196℃のマシュマロを試食した方からは「意外と冷たくない!」「サクサクして美味しい」など、ここでしか味わえないマシュマロを楽しんでいました。

横浜市立大学 免疫生物学研究室
腸内細菌を観察しよう
中学生・高校生を対象に、楽しみながら科学を身近に感じていただきたいという思いで企画したイベントです。白衣を着て、気分は研究者。本格的な実験室に入り、普段あまり目にしない実験道具を前にワクワクしながら、スタッフの説明を熱心に聞き、グラム染色で腸内細菌の観察を行いました。顕微鏡で見る細菌に驚き、科学の不思議を楽しんでいました。この機会が体験した生徒たちの心を刺激し、今後、科学の世界に興味をもっていただけたら、うれしい限りです。

ご来場ありがとうございました!
来年度の一般公開の開催日程は決まり次第、理研横浜キャンパスのウェブサイトでお知らせします。
科学への興味を持っていただけるような楽しいイベントを企画して、皆様のご来場をお待ちしております。