開催日時

2025年 1222日(月)

開会 10:00 / 閉会 17:30  (開場時間 9:30〜)

理化学研究所 横浜キャンパス 交流棟ホール

オンライン同時開催

開催概要

カーボンニュートラルな循環型社会の実現に向けて


第3回キャッサバワークショップを12/22に理研・横浜キャンパスで開催致します。
熱帯および亜熱帯地域で栽培されるキャッサバは、その塊根に蓄えた澱粉により、食料、甘味料、アミノ酸、バイオエタノール、バイオプラスチックなどの原材料として幅広く利用され、世界中の10億人にとって重要な澱粉資源作物となっています。キャッサバは貧栄養土、高温、乾燥、酸性土壌などさまざまな厳しい条件に耐えうる能力を持ち、その葉は飼料やエリ蚕の餌として、茎は挿し木としても活用されています。大気中のCO2削減への貢献が期待され、2021年のFAOデータによれば、約1.5億トンのCO2を吸収し塊根の澱粉として固定している点からも、キャッサバは地球温暖化を抑制し、カーボンニュートラルな循環型社会の構築に寄与する作物として注目されています。

上述したキャッサバの優れた特徴から、将来的には食糧問題、人口問題、環境問題などの地球規模の課題解決への貢献が期待され、日本企業のキャッサバに対する関心も高まっています。キャッサバゲノム情報も公開され、形質転換やゲノム編集、オミックス解析システムなどの研究基盤・技術開発も進展していますが、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ヤムイモなどのイモの研究者との連携を強化することで、イモの研究の相互のさらなる進展も期待されます。

このワークショップは、キャッサバの研究者だけでなく、キャッサバに興味を持つ方、他のイモ資源を対象としてイモを研究されている方、食糧問題や環境問題に関心のある方、ゲノム編集研究を推進されている方、など、多岐にわたる参加者が集い、貴重な情報の交換、交流、議論の場となることを目指しています。そして、将来的にはカーボンニュートラルな循環型社会の実現に向けて、産学連携でキャッサバなどのイモの研究開発を推進できればと考えています。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

プログラム

スケジュールタイトル講演者
10:00 - 10:10開会挨拶関 原明(理化学研究所)
10:10 - 10:30リジェネラティブ農業のキャッサバ栽培への展開による炭素蓄積実現に向けての取り組み信濃 卓郎(北海道大学)
10:30 - 10:50農業分野からの脱炭素:オフセットとインセット小倉 千沙(株式会社メロス)
10:50 - 11:10生育温度がキャッサバの澱粉代謝・収量・遺伝子発現に及ぼす影響内海 好規(福山大学)
11:10 - 11:25キャッサバの遺伝資源の活用に向けた開花制御技術の現状と展望徳永 浩樹(JIRCAS)
11:25 - 11:45増加し続けるCO2と異常気象への対策に向けたキャッサバ分子育種研究武田 智之(理化学研究所)
11:45 - 12:05エタノールによる植物の環境ストレス耐性強化技術(EGAO)のキャッサバへの応用戸高 大輔(理化学研究所)
12:05 - 13:10-- 昼食 ----
13:10 - 13:30キャッサバの成長シミュレーションモデル構築に向けて増冨 祐司(国立環境研究所)
13:30 - 13:50Thai farmer better life partner projectの取り組み平尾 吉徳(タイ味の素社)
13:50 - 14:10トランスジーンを入れない・残さない植物ゲノム編集技術の開発土岐 精一(龍谷大学)
14:10 - 14:30国産ゲノム編集Type I-D CRISPR-Casによる植物の機能改変刑部 祐里子(東京科学大学)
14:30 - 14:50ゲノム編集技術を用いた産業植物の代謝改変と実装に向けて村中 俊哉(大阪大学)
14:50 - 15:10葉緑体ゲノム編集による植物生産への貢献と展望有村 慎一(東京大学)
15:10 - 15:30-- 休憩、集合写真撮影 ----
15:30 - 15:50イネ茎葉部における澱粉生合成のマスター制御因子CRCTとそのオーソログの機能解析森田 隆太郎(東京大学)
15:50 - 16:10非破壊地中可視化技術によるサツマイモ塊根評価とイモ類作物への応用可能性鄭 美嘉(農研機構)
16:10 - 16:30気候変動下の高温・渇水によるサトイモ、イネの高温・干ばつ害とその対策 -IoT点滴灌漑による節水型栽培技術の開発と課題-大川 泰一郎(東京農工大学)
16:30 - 16:50ヤムイモは空気から栄養を吸収するのか? -ヤムイモに内生する窒素固定能を持つ植物成長促進細菌について-菊野 日出彦(東京農業大学)
16:50 - 17:10総合討論--
17:10 - 17:15閉会挨拶関 原明(理化学研究所)
17:30 - 19:30懇親会 (横浜キャンパス交流棟 2階)--

お問い合わせ先

E-mail: cassava_workshop[a]ml.riken.jp

世話人

  • 関 原明(理化学研究所環境資源科学研究センター)
  • 内海 好規(福山大学)
  • 徳永 浩樹(国際農林水産業研究センター)
  • 武田 智之(理化学研究所環境資源科学研究センター)