[開催レポート]
理研よこはまサイエンスカフェ「癌に立ち向かう免疫の仕組みを作り上げる」

日時
2015年2月22日(土)14:00~16:00
講師
藤井 眞一郎(統合生命医科学研究センター 免疫細胞治療研究チーム チームリーダー)
会場
かわさき宙(そら)と緑の科学館

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2015年2月22日(日)、理研よこはまサイエンスカフェ「癌に立ち向かう免疫の仕組みを作り上げる」を、かわさき宙(そら)と緑の科学館で開催しました。

冒頭では、過去に医師として多くのがん患者の治療に携わってきたこと、その当時は薬剤治療における進歩を感じつつも、一方でその限界を感じたことなど、藤井チームリーダーが免疫細胞治療の開発に至った背景が語られました。
 今回のサイエンスカフェでは、遺伝子の異常としてのがんとその診断法にはじまり、がんと免疫との説明があり、これまでの免疫療法を紹介いたしました。その後、現在開発中の「人工アジュバントベクター細胞」と呼ばれる人工細胞を使った新たな免疫療法が、がんに効くメカニズムをデータやイラストを交えて解説しました。現在、藤井チームリーダーは「人工アジュバントベクター細胞」と呼ばれる人工細胞を使った新たな免疫療法の研究に取り組んでいます。この療法は自然免疫細胞をうまく利用することで、キラーT細胞が長期にわたってがんに殺傷効果を発揮する新たな療法として期待されています。
 現在は前臨床段階として、より安全に人工細胞を培養する施設の整備を進めているそうです。最後には、こうした治療法を実際の治療として医療現場で役立てるためには、研究と医療の各分野が相互に協力し合うことの重要性が語られました。

参加者からのコメント

後半の質疑では参加者から、「先生の研究のほかに、理化学研究所ではどのような免疫療法の研究が進んでいますか。」「がんになる原因には、遺伝子の変異以外にどんなものが挙げられますか。」などの質問がなされました。その中で「免疫細胞療法が他の治療と異なる画期的な点はどこにあるのでしょうか。」という質問がありました。藤井チームリーダーは、「抗がん剤投与とは異なる作用であるため、患者が自宅で生活できるなど、生活の質が向上できていることは大きい。今後はキラーT細胞をどうしたら長期的に維持できるかが、根治のための重要なポイントで、今現在、その仕組みを分子レベルで解明していく研究が進みつつある。」と答え、今後の研究の展望を語りました。

会場では、話の内容を熱心にメモする参加者が多くみられました。ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。


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