[開催レポート]
理研よこはまサイエンスカフェ「増え続けるCO2と戦う!微生物を使ったものづくり」

日時
2015年1月24日(土)14:00~16:00
講師
白井 智量(環境資源科学研究センター バイオマス工学連携部門 細胞生産研究チーム 上級研究員)
会場
横浜市磯子図書館

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2015年1月24日(土)、理研よこはまサイエンスカフェ「増え続けるCO2と戦う!微生物を使ったものづくり」を、横浜市磯子図書館で開催しました。

白井智量上級研究員が講師を担当した今回は、微生物の力と遺伝子組換え技術を利用して、燃料やプラスチックなどの有用な物質を効率よく作り出す研究について紹介しました。
私たち人間は古くから、ヨーグルトやキムチなど、食品などに微生物や代謝の仕組みをうまく利用してきました。現在では、代謝を工学的なアプローチで解明する「代謝工学」の発展を背景に、微生物の力を最大限に活用し、環境負荷の低いバイオマスを原料とした燃料やプラスチックをつくる仕組みの開発が進んでいるとのこと。会場では、原料となる稲わらの糖化液を回し、香りや色なども観察しました。
この分野では今後、石油製品に匹敵する強度のプラスチィックの開発や、究極的には微生物が空気中のC02を取り込むことで有用な物質をつくり出す仕組みの開発などが期待されているそうです。

参加者からのコメント

後半の質疑応答では、参加者から「今現在、微生物を活用して製品化されたプラスチィックはあるのでしょうか。」「遺伝子組み換えをした微生物を使うことは安全なのでしょうか。」などの質問がなされました。
現在の実用化の状況について、「環境負荷が低いと言われるバイオ燃料やプラスチックをつくる際、生産プロセスの中ではどの程度のCO2を排出しているのでしょうか。」という質問がありました。これに対し、「今現在のところ、サトウキビなど材料の輸送などを含めると、CO2の排出量は少ないとは言えない。しかし、今後の生産プロセスの効率化が行われる中で徐々に解決していく問題ではないか。」と答え、今後の実用化段階で、コストなどの現実的な課題が解決されていくことの必要性も語られました。

ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。


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