イベント紹介

講演会

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交流棟

「ラン藻」を使って、光と二酸化炭素からものづくりをしてみる

小山内 崇 研究員

会場交流棟ホール
時間帯10:30~11:20 定員200名
環境資源科学研究センター 代謝システム研究チーム

ラン藻は光合成をする細菌です。細菌ですが、藻という名前の通り、光合成をします。光合成をすることで、光を利用して、二酸化炭素を取り込むことができます。このことから、ラン藻を利用したものづくりが発展すれば、化石燃料の代替候補として、環境・資源などの重要な問題の解決に貢献できます。しかしながら、藻類を利用したものづくりは、まだまだ実用化には遠く、革新的な技術の発展が必要不可欠です。私たちは、ラン藻を使って、バイオプラスチックや水素を「人とは違った方法で作る」研究をしています。
本講演では、ラン藻を使ったものづくりの最先端を、できるだけ易しくお伝えしたいと思います。

ラン藻研の実験室の様子。左下の写真がラン藻。右上は、ラン藻を培養している様子。光と二酸化炭素を与えて光合成をさせて、培養しています。ラン藻が作る物質を測定したり(左上)、ラン藻を観察しながら(右下)、環境エネルギーの研究を進めています。

薬はどうやってつくられるか

梅原 崇史 ユニットリーダー

会場交流棟ホール
時間帯11:40~12:30 定員200名
ライフサイエンス技術基盤研究センター 構造・合成生物学部門 エピジェネティクス制御研究ユニット

病気になったとき、誰しもお薬を飲んだことがあると思います。その薬はどうやってつくられたのでしょう? 薬のことを知るためには、まず私たちの身体がどのように成り立ち、どうして病気になるのかを理解することが大切です。その上で、病気の原因となるタンパク質を突き止め、そのかたち(構造)やはたらき(機能)を制御する化合物を見つけたり、作り出すのが薬づくりの第一歩です。ただし私たちが飲んでも安全な医薬品を開発するためには、その他にも数多くのステップが必要です。今回の講演では、最新の薬づくりの一端についてご紹介いたします。

疾患関連タンパク質の形と働きの解析例(左)。タンパク質の機能をその構造に基づいて理解して、合理的に制御化合物を開発する。理研で開発した制御化合物の例(中央)。医薬品開発の基準例(右)。医薬候補品は厳しく選別され、よりよい化合物が求められる。

磁石で分子や体内を観る -NMR や MRI の原理や応用-

池上 貴久 教授

会場交流棟ホール
時間帯13:30~14:20 定員200名
横浜市立大学 生命医科学研究科 構造エピゲノム科学

蛋白質と聞くと栄養を連想しがちですが、実際にはすべての生物の体を形作ったり、代謝、消化など体内の活動のほとんど全てを担っているたいへん重要な物質です。その形を知る方法の一つに核磁気共鳴があります。この核磁気共鳴はNMRと呼ばれていますが、大きな磁石と超高性能のラジオのような組み合わせでできています。この磁石の中に蛋白質を入れると、その蛋白質分子の形を知ることができます。このような複雑な装置ですが、実は病院で多いにお世話になっている方もおられます。この講演会では、その原理や応用についてお話ししたいと思います。

核磁気共鳴装置の磁石の部分(左)に蛋白質試料を入れ電磁波を当てることにより、蛋白質の中の水素の核スピンを自由に操ることができます。右下の図は核スピンからの信号です。これを利用して水素と水素の間の距離を知ることができます。

新元素探索の最前線

森本 幸司 チームリーダー

会場交流棟ホール
時間帯14:40~15:30 定員200名
仁科加速器研究センター 超重元素分析装置開発チーム

元素周期表が年々拡張されている事を御存じでしょうか。日本はこれまで元素発見の歴史に名を残す事が出来ておりませんが、理研仁科加速器研究センターにおいて亜鉛ビームをビスマス標的に照射し113番元素を合成する実験を行い、3個の113番元素合成に成功しました。現在国際機関により審議が行われており、認定されると日本発の元素が周期表に登場することになります。本講演では、元素発見の歴史、113番元素探索実験の詳細、今後の新元素探索の展望について紹介させて頂きます。

観測された3例の113番元素の崩壊チェーンと、実験に使用した装置(GARIS)。1例目と2例目は、4回アルファ崩壊を起こして105番元素であるドブニウムに到達し自発核分裂した。3例目は、6回アルファ崩壊を起こし101番元素であるメンデレビウムに到達した事が確認された。

感染症と免疫の話

小安 重夫 センター長代行 兼 グループディレクター

会場交流棟ホール
時間帯15:50~16:40 定員200名
統合生命医科学研究センター 免疫細胞システム研究グループ

麻疹にかかると2度と麻疹にかからない。水疱瘡にかかると2度と水疱瘡にかからない。皆さんよくご存知のことです。私達の体は侵入したウイルスや細菌などの病原微生物と戦う力を持っています。そして戦いの後には、どのような相手と戦ったかを記憶しています。この能力を利用したのが予防接種あるいはワクチンです。今回の講演では、どうして私達の体が病原微生物と戦えるのか、どうしてワクチンが病気から私達の身を守るのか、どうして効果的なワクチンとそうでないものがあるのか、などに関してお話をいたします。

微生物に感染すると様々な免疫担当細胞が機能するが、その中でも獲得免疫系と呼ばれる仕組み(左)が働くと、微生物や微生物が感染した細胞を除去して感染を収束させる。その後に免疫記憶が形成される。獲得免疫系が起動するまでの時間は自然免疫系(右)と呼ばれる仕組みによって微生物の増加が抑えられる。

聞いてみよう!一般公開の裏舞台

  • 体験イベント あなたはお酒に強い?弱い?アルコールパッチテストから遺伝子と体質の関係を見てみよう  統合生命医科学研究センター 疾病多様性医科学研究部門
  • 施設公開・ツアー  公開!分子の構造を読み解くNMR装置  横浜市立大学
  • 体験イベント タンパク質のかたちとはたらき ~君の手でホタルスライムを光らせよう~  ライフサイエンス技術基盤研究センター 構造・豪勢生物学部門
  • 施設公開・ツアー植物の色々な色のヒミツ  環境資源科学研究センター 生産機能研究グループ