クローズアップ


地域とともに歩む理研 #02

横浜市中央図書館とサイエンスカフェで連携

話し手
横浜市中央図書館 調査資料課
徳安由希(とくやす ゆき)さん

サイエンスカフェからライブラリーカフェへ

2014年3月現在まで、横浜市中央図書館では各方面の専門家を招き、「ヨコハマライブラリーカフェ」を計23回実施しました。そのきっかけとなったのが、2010年8月に理化学研究所と共催した「サイエンスカフェ」です。理研の研究者・山口信次郎氏をゲスト(講師)に「植物がたくましく生きる術〜知られざる植物ホルモンのはたらき」と題して開催しました。
お茶を飲みながらリラックスした雰囲気の中で質問や意見が交わされるサイエンスカフェは参加者にもゲストにも好評でした。そこで2012年度からは、取り扱うテーマを社会科学や人文科学の分野にも拡大し、ライブラリーカフェと名称を変えて展開しています。

横浜市中央図書館の写真横浜市中央図書館 医療情報コーナー

地域の情報発信拠点としての図書館と理研

近年公共図書館は、生活やビジネスの上で直面する課題に情報を提供し、解決を支援する機能を強化しています。サイエンスカフェは、図書館としてそれを広く知っていただき、利用につなげる取り組みの一つとして始まりました。
最先端の研究者から直に話を聞き、質問できる機会は貴重です。自然科学分野は日々進展し続けているため、本図書館でも最新の情報を得ることに苦労していましたが、理研と共催することで、最先端科学、とくに一般の方々の関心が高い生命科学分野のテーマ選びが可能になりました。私たち図書館側では毎回テーマに関連するブックリストを作成し、カフェの会場にも図書館資料の展示をして、その後の図書館利用につなげるようにしています。ブックリストの作成にもゲストを務める研究者にご協力いただいています。

会場に設置された資料展示エリアの写真会場に設置された資料展示エリア

通い慣れた図書館で、最先端の科学に触れる

カフェの参加者にとっては、いつも利用している図書館で、ライブラリーカフェの幅広いテーマの中から最先端科学を選べる気軽さがあります。実際、理研とのサイエンスカフェでは、難しそうなテーマにも関わらず、時間内に応えきれないほど多くの質問が出され、活発な質疑応答が行われます。その様子を見ると、科学の最先端情報に触れたいという思いは多くの方々が持っており、きっかけの大切さを感じます。
これまでの開催で積み重ねてきた運営経験を活かして、今後も理研と一緒に新たな参加型イベントも作り上げていきたいと思っています。

横浜市中央図書館 ヨコハマライブラリーカフェ

休憩時間に参加者と研究者が意見を交わす様子の写真休憩時間に参加者と研究者が意見を交わす様子


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